日常が言葉で溢れている。にもかかわらず、言葉にならない感じを誰もが抱えている。
平・片仮名4文字の言葉は今も無尽蔵に生まれているのに、漢字の新語は殆ど出ない。
なぜだろう。もっと漢字を使って言葉を作っていったっていいじゃないか。
漢字が新語に使われない理由は、確かに推測がつく。
例えば「誰何」という語を使ったとする。読みは「すいか」だ。
お化け屋敷で「突然の暗闇に思わず誰何した。」のように使う。
「すいかした」と聞けば、関東圏の人は「夜に改札でも通ったのか」と思うだろう、
国内の他の地域の人なら「夜食に食べたくなったのね」とでも感じるだろう。
語が知られていないために、音読みが文字に結びつかないとき、意味不明になるのだ。
そんな障壁はあれど、漢字を使った新しい言葉がもっと誕生してよいはずだ。
かの谷崎潤一郎は、新語を無暗に作るべきでないと「文章読本」で述べていたが、
それから1世紀、新語は毎年湯くようにできている、殆どが平・片仮名を使って。
この部録では、漢字を中心に使って言葉を作り出す。辞書に載っていない語である。
時には新しく訓を当て、新たな組み合わせの語を作り、字そのものを作り出すこともある。
その言葉は、ここで生まれ、この活字と電子の世界をどこまで行き渡るだろうか。
この部録の活動に賛同いただける方がもしいらっしゃったら、どうぞご活動ください。
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百年後の日本、いや世界が、今世紀に作られた漢語をもとに、
より豊饒な表現を生むことを期待しています。日本語にはそれができます。
令和西周