動段・・エスカレーター
動室・・エレベーター
社会人として10年以上経験した40歳手前の私だが、いまだに区別ができない言葉がある。エスカレーターとエレベーターだ。いつも勘違える。「エスカレート」も「エレベート」も上がっていく像が貼り付いた語なので、いったい2者を区別できる特徴は何なのかと考えてしまう。
考えれば何らかの答えが得られるものだ。私の答えは「動く階段」か「動く部屋」かだ。動く方向が斜向きか上下かという違いもあるが、本質は階段と部屋だと考えれば区別しやすい。しかし機と気づくのだ。ではどちらがエスカレーターでエレベーターなのか。
いっそ漢語にしてしまいたい。エスカレーターすなわち動く階段は「動段」、もう一方のエレベーターないし動く部屋は「動室」。そう言ってしまえばいいのだ。発音の際は、強勢がないように、高低をなくす。「どーだん」「どーしつ」と仄平りした発音になる。
しかし、科学技術の現代である。動く公共空間なんてこれからどんどん種類が増えていくことは容易に見える。すでに水平方向に動く歩道や、単線のモノレールがわが街には存在している。そうであれば、前者は「動路」、後者は「動軌」と言ったらいい。「どーろ」「どーき」と仄平りと発音すれば、同音異義語と区別できる。
ということで、私の個人的混乱から生まれてしまった単語たち。私と同じような間違いを犯す人が多ければ、という前提であるが、もしエスカレーターはエスカレーター、エレベーターは明らかにエレベーターだよ、と多数派に詰られたら、需要がないことが証明される。没案路線である。